「首相、中東歴訪中止」の「誤報」にみるマスコミの杜撰

裏付けを取らない報道機関の無責任

 

●共同通信 2020.1.8 11:45配信

日本政府関係者は8日、 安倍晋三首相が11日から予定していたサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などへの中東訪問を延期すると明らかにした。

https://this.kiji.is/587472639761581153

 

 ご存知のように、既に安倍首相は中東訪問を行っている。
 政府が中東訪問を取りやめることを決定した後に、翻して訪問を断行したという事情はない。

 つまりこれは誤報であることが確定しているニュースだ。

 共同通信の配信によって各メディアに情報がもたらされ、多くのメディアがこれを報じることによって情報は瞬く間に拡散された。

 では、共同通信はどのようにしてこのガセネタを報じるに至ったのか。

 共同通信の前にこれを報じていた通信社がある。

 

●ロイター 2020.1.8 11:23 配信
安倍首相が中東歴訪を中止へ、政府はNSC開催=報道

[東京 8日 ロイター] – テレビ朝日によると、安倍晋三首相が今週末からの中東3カ国の歴訪を中止する。
また共同通信は、国家安全保障会議(NSC)会合が8日官邸で開かれたと伝えた。イランによる米軍駐留基地への攻撃を巡り協議しているとみられるという。

https://jp.reuters.com/article/abe-middleeast-idJPKBN1Z7088

 

 ロイターは「テレビ朝日が中止を報じた」としている。この報道の後、共同通信は「日本政府関係者からの情報」として、首相の中東歴訪が中止になったと報じた。

 共同通信は「日本政府関係者」への取材によって情報を得たとしている。では、共同通信が話を聞いた日本政府関係者は、取材に対して嘘を述べたのだろうか。

 おそらくそうではない。

 そもそも、取材など行っていないと見るのが自然であろう。

 これが日本を代表する通信社の仕事なのである。

 

偽情報によって「踊らされた」 否、「踊った」者たち

 

●日刊ゲンダイ 2020.1.9 17:00 配信
自衛隊は派遣、自分は歴訪延期 つくづく口だけの安倍首相

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/267336

 

 

AERA(朝日新聞社) 2020.1.8 17:44 配信
安倍首相の中東訪問中止に批判噴出「逃げるなら自衛隊派遣も見直せ」 米イラン衝突で混迷する日本外交

https://dot.asahi.com/dot/2020010800096.html?page=1

  

 

●日本共産党 田村智子参議院議員 2020.1.8 16:28 発信
自分は中東訪問をやめ、自衛隊は派遣するのか。安倍総理、逆ではないのか?

 

 

 

 情報に接した時、どのような反応をするかは自由である。が、大きな声を浴びせかけるならば情報の信憑性を計る必要はあるだろう。

 また、ここでは個人と紙媒体を併記して一括りにして取り上げているが、結果としてこれら媒体は一個人となんら代わりのない「ただの感想文」を書き連ねただけであったが故に、このような扱いとなったことを書き添えたい。

 彼らにマスメディアを名乗る資格はない。

 既存メディアに「責任のある報道を」などと求めるのはまったく無駄なことである。自浄を求め、それが成る段階はとうに過ぎている。

 私たち情報の受け手が「またメディアが笛を吹いている」「その笛で踊ってる人たちがいる」と笑い飛ばせるようになるしかないのだ。