偏向:「韓国人観光客が減った」とだけ記した報道の意味とは

何故、韓国だけを抜き取って伝える必要があったか?

 

  確かに、韓国から日本への観光客が減った。

  

●朝日新聞 2019.8.23 22:31 配信
対立泥沼化、韓国人客が激減 観光地「いつまで続く」

(前略)
 水郷を巡る観光船「どんこ舟」が人気の福岡県柳川市。市内に4社ある運航会社の一つ「大東エンタープライズ」によると、8月の韓国人客はゼロで、9月も予約がまったく入っていないという。
(中略)
 国内有数の温泉地・大分県別府市でも「韓国人旅行者が目に見えて減っている」(市観光協会の担当者)という。
(中略)
 外国人観光客でにぎわう東京・原宿。韓流アイドルが来店したことで、10~20代の韓国人客にローストビーフ丼が人気の「RedRock 原宿店」。日韓の対立が悪化する前は、1日に100人以上の韓国人客が訪れていたが、最近は20人に届かない日が増え、1日あたりの売り上げも10万円ほど減ったという。
(中略)
 日本政府観光局によると、7月の訪日観光客は全体で5・6%増(前年同月比)だったが、韓国からは7・6%減だった。修学旅行など団体客のキャンセルが目立つという。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190823-00000068-asahi-pol

  

●NHK 2019.8.21 16:34 配信
別府 韓国人客減で観光地 打撃

 日韓関係が悪化する中、国内有数の温泉地・別府市でも訪れる韓国人観光客が減っており、地元経済に打撃を与えています。
(中略)
このうち、外国人観光客の人気の観光コース、別府地獄めぐりの1つにもなっている「かまど地獄」では、これまで入場者のおよそ8割を韓国からの観光客が占めていました。
しかし、このところ韓国からの団体客の入場が減っていて、先月の韓国人の入場者数は前の年の同じ月より4割ほど減ったということです。
(以降略)

https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20190821/5070004590.html

 

 観光客が減ったことで確かに困っている人がいる。それは理解したうえでも「偏った報道である」と指摘したい。

 まず、上記のような報道の出る前段階として、日本政府観光局(JNTO)は 外国人観光客の増減について 7月17日に詳細なデータを発表している。

 

●日本経済新聞 2019.7.17 18:06 配信
1~6月の訪日客、最高の1663万人 韓国は5年ぶり減

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47439970X10C19A7EE8000/

 

 これは日本政府観光局(JNTO)の発表をまとめた記事だ。
 半期として「過去最高」の外国人観光客を獲得したこと、韓国、台湾、香港は減少したこと、主要20カ国・地域の中で減少したのはこの3地域のみで残りは堅調な伸びを継続したことが伝えられている。

 

● 日本政府観光局(JNTO) 2019.8.21 発表

https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/190821_monthly.pdf

 

 同じく日本政府観光局が (JNTO) 8月21日に発表した資料だ。これによると、7月の訪日外国人客数(推計値)は、前年同月比5.6%増の299万1200人だった。単月としての「過去最高」を更新した。韓国からの訪日客数は前年同月比7.6%減だった。

 つまり観光客は増え続けており、過去に過去最高を更新し続けている好調ぶりなのである。

  また次の資料もあわせて参考にしてもらいたい。

●日本経済新聞 インバウンド統計リポート 

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/inbound-report/

 

 訪日する老若貴賎を別することは無いが、冒頭のようなメディアが「経済的な打撃」として取り上げるのであれば、「韓国人がいかにお金を落とさないか」という視点でみた資料も添える必要があると考える。
 現在、日本は「お金を多く使ってくれる外国人が過去最高に増えて、お金を使わない外国人(韓国人)が減っている」という状況にあるのだ。

 

 あえて、言おう。

 仮に為替レートの影響や天候不順、その他の影響で翌8月に訪日客数が減少したとしても「今はまさに最高の状態」であることには、些かの変化も無い。押しなべて日本の観光地は今までになく潤っているのである。
 上記データに照らして推察するに、韓国人の観光客が50%減少となったとしても、それそのものは日本に打撃を与えるものではないといえよう。

 

 それでも、前出のようなメディアは大局的な観点を捨て、韓国人の動向だけを切り取って報じているのである。

 

 朝日新聞の記事中にある「どんこ舟」のくだりでは「 8月の韓国人客はゼロ 」とされているが、実際には「大幅に減っているのは間違いないが、絶対にゼロということはない」とする同社社員の証言がある。
 またNHKの報道に対しては「外国人の中でも、韓国人のツアー客だけに焦点を当てて優遇し、積極的に誘致してきた1つの施設が、運営方針を見誤っていたというだけの特殊な事例ではないのか」との指摘も相次いでいる。
 収益減に悩む人たちに追い討ちをかけるようで申し訳ないが、これも尤もな意見だといえよう。

 偏った報道の中で、さらに話を盛る。
 こうまでして彼らが伝えたかったものは何か?

 

 次に取り上げるのは韓国の新聞である。

 

●中央日報日本語版 2019.8.13 15:24 配信
韓日旅行絶壁、日本の被害のほうが大きい…来年の日本成長率0.1%ポイント↓

https://japanese.joins.com/article/533/256533.html

 

●中央日報日本語版 2019.7.15 10:48 配信
韓国消費者の「ビジット・ジャパン」たたき…安倍氏には打撃になるか

https://japanese.joins.com/article/534/255534.html?servcode=A00

 

 見出しだけで充分に伝わると思うので、ここでは中身には触れない。日本の観光産業は好調そのものだ。

韓国の反日報道 「日本は困るはずだ!」
日本の偏向報道 「これは大変だぞ!」

 

 そっくり同じレベルのなのである。 

 

 たとえ日韓関係が良好であったとしても、昨年から続く深刻なウォン安。不況による失業者が増加し、特に若い世代はアルバイトを除いても4人に1人が完全失業者となっている韓国である。
 そもそも、観光需要が伸びる要素が無く、何も無かったとしても減っていく客だったと見るのが自然だ。
 そこからの観光客に期待するほうが間尺に合わないといえまいか。