サムスン、ベルギーから半導体材料を調達の「嘘」

2019-08-18

 誰の願望がフェイクニュースを作るのか?

  

「サムスン、ベルギーから半導体材料を確保済」

 このニュースが報じられたのは8月10日。
 半導体材料の調達を急ぐサムスンが、実はベルギーから仕入れを行っており、既に工場で製品を作っているという驚きの内容だった。

   

●日本経済新聞 2019.8.10 19:58 配信

「サムスン、ベルギーから半導体材料 調達で代替ルート」

以降、記事抜粋(前略)

サムスン元幹部で、漢陽大学で半導体工学を専攻するパク・ジェグン教授が、サムスンがベルギーに本拠を置く会社からフォトレジストを調達していると語った。

(中略)

教授によると、サムスンは6~10カ月分の化学材料を購入し、最先端の半導体チップを製造する工程で使用しているという。

(以降略)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48475570Q9A810C1MM8000/

   

 この報道がされる直前の7日には、サムスン電子のスマホ事業トップである高東真(コ・ドンジン)社長が懇談会で、
「 今年末には『来年は危機』という言葉が出てくるかもしれない 」
との発言とともに、半導体材料の在庫不安を口にしたばかりだった。

 既にベルギーから輸入した半導体材料で製品の製造が開始されており、在庫も半年分を確保しているとすれば、この高社長の発言の意図に再度注目が集まる場面だ。

 しかし実際には、大方の予想通り「誤報」であることが報じられることとなる。

●亜洲経済 2019.08.12 10:13 配信

パク・ジェグン教授「日経のサムスン電子半導体材料をベルギーから調達する報道は誤報」

以降、記事抜粋

韓国半導体ディスプレイ技術学会長のパク・ジェグン教授が11日、日経アジアレビュー(NAR)のサムスン電子半導体材料をベルギーから調達の報道について誤報であると反論に乗り出した。

(中略)

パク会長は、「先週の金曜日、日経からインタビューの要請があったが会議中だったので応じられなかった」とし、「しかも、英文記事に表記された名前も名刺のPark Jea-Gunとは異なるPark Jae-keunで表記され、媒体は元サムスン電子の幹部だったという個人情報も明記したまま記事を出した」と、報道内容は事実ではないと主張した。

http://japan.ajunews.com/view/20190812101038421

  

 この主張によると、取材で話した内容を捻じ曲げられたという類ではなく、そもそも取材を受けていないのだという。
 当然、半導体の材料調達くだりについては、まったくの事実無根であるとしている。

 同教授の主張が事実だとすれば、今回の報道をめぐっては「誤認報道」に分類される事故的要因は皆無であり、意図的に虚実を報じた「捏造報道」であると言える。

 つまり、完全なでっち上げだ

 サムスン電子の半導体材料の調達をめぐっては、「ロシアから輸入される」「中国から買い付けてテストも終えている」「韓国国内製造のフッ化水素をラインテスト、結果は良好で生産に移す」などが報じられており、また、これらの報道が出る度にサムスン電子側が報道の否定を繰り返してきた経緯がある。

 当事者であるサムスン側が困惑するような「誤報」が、なぜ次々と飛び出すのか。
 「韓国の誇り」とまで言われるサムスンに寄せられる大きな期待に起因するものとみられるが、報道に関わる者が平気で「捏造」をする現状と、それを「看過」したにせよ「確信犯」であったにせよ、誤った情報を垂れ流すメディアは大いに反省すべきである。